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ウトナイ湖野生鳥獣保護センター

ウトナイ湖野生鳥獣保護センターでウトナイ湖についての説明をチーフレンジャーから受けているところ

 

サポート120

 

 1021日、野生動物救護研究会の平成29年度大会が、苫小牧市ウトナイ湖野生鳥獣保護センターを会場に開催されました。会員および一般の方々が多数参加し、出席者数は35名でした。

 

 センター内の施設見学と講演会(話題提供と症例報告)があり、内容も素晴らしく、充実して盛り上がった大会となりました。

 

 盛田会長からの開会あいさつの後、保護センター内の施設見学が行われました。当日は多くの参加者が集ったため、これまで施設見学をしたことがない方たち15名にしぼって案内しました。

 

 まず(公財)日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンターの中村聡チーフレンジャーにより、ウトナイ湖や周辺に生息する動植物の紹介が展示ホールで行われ、館内に設置されている望遠鏡でガン類やハクチョウ類を観察しました。ウトナイ湖では、ちょうど水鳥たちの渡りの時期ということもあり、レンジャーの解説を受けながら、多くの方が観察を楽しみました。

 その後一度レクチャールームに戻り、保護センター救護部門の職員で救護研究会の理事でもある山田智子氏が、スクリーンにてセンターの傷病鳥獣救護活動の概要を紹介してから、実際に救護施設へと案内しました。当センターでは通常、衛生管理等の理由で傷病施設の一般公開は行っておりませんが、各々衛生対策をしっかりしていただき、治療室や屋外リハビリケージを見て歩きました。熱心な参加者が多く、見る先々で感想や質問が飛び交う有意義な施設見学となりました。

 

 見学に引き続き、レクチャールームで講演会の第一部「救護に関わる最近の話題」が行われました。座長には本会の飯嶋良朗理事があたり、話題提供は以下の2題でした。

 

    獣医師会における野生動物対策の動向

 

武田忠義(救護研究会監事/日本獣医師会野生動物対策検討委員)

 

    高病原性鳥インフルエンザの流行と野鳥救護

 

黒沢信道(救護研究会副会長)

 

 

 

 休憩の後、講演会の第二部として症例発表があり、4題の症例報告と質疑応答や参加者による討論が行われました。

 

    セグロカモメのQOLの改善~プールの活用~

 

堤 百合香(猛禽類医学研究所)

 

    風切羽・尾羽を損傷したチゴハヤブサの経過

 

黒沢信道(野生動物救護研究会)

 

    オジロワシ幼鳥の野生復帰への試みから考えた継母の可能性

 

中村鈴夏(猛禽類医学研究所)

 

    托雛は有効な手段か~2016年のハクセキレイ托雛事例~

 

山田智子(ウトナイ湖野生鳥獣保護センター)

 

講演会の内容については順次、野生動物救護研究会の会報『サポート』誌上で紹介いたします。